A5011 スポーツトレーナー学科 堀 桂菜 私の尊敬する本正園子先生 (1)プロフィール 1968年 東京生まれ 小学校入学前に岩手県盛岡市へ (2)学歴 盛岡市立仁王小学校→盛岡市立上田中学校→盛岡第二高等学校 →日本大学文理学部体育学科 (3)競技歴 @小学校 盛岡市内小学生大会 小5 80MH 3位 盛岡市内小学生大会 小6 100M 1位 14”2 A中学校 1年 100M 13”1(中1県中学校新記録) 全国中学校陸上選手権大会100M7位 2年 100M 12”6 3年 100M 12”4(県中学校新記録) 100M岩手県選手権大会優勝(中学生として史上初) 日本陸上競技連盟より河野一郎章受章 B高校 岩手県高校総体 1年 100M2位 200M優勝 2年 100M優勝 200M優勝 3年 100M優勝 200M優勝 東北高校陸上 100M・200M 3年次第3位 山口インターハイ出場 国民体育大会 2年 鳥取 少年A女子100M出場 3年 山梨 少年A女子100M出場 C大学 3年 関東インターカレッジ 100M8位 12”46 400MR4位 1600MR5位 4年 全日本インターカレッジ 400MR4位 D自己記録 100M 12”42 200M 25”70 (4)指導歴 平成3年〜 一関第二高等学校 (在職4年間) 平成7年〜 黒沢尻南高等学校 @ 全国高校総体(インターハイ) 98年 四国 400MR、走高跳出場 99年 岩手 走高跳第3位(1M70) 400M、槍投出場 00年 岐阜 400MR第3位(47”19・・・県新記録) 100M、200M、100MH、槍投出場 01年 熊本 100M優勝(12”06) 200M第6位(25”17) 400MR、1600MR出場 02年 茨城 100MH、400MR、円盤投出場 03年 長崎 1600MR第4位(3’50”85) (準決3’48”03・・・県新記録) 100MH、400M、400MR、走幅跳出場 A 国民体育大会 97年 大阪 走高跳、円盤投出場 98年 横浜 少年B女子400M第5位 走高跳、槍投出場 99年 熊本 走高跳、400M出場 00年 富山 100M、400M、100MH、 400MH出場 01年 宮城 少年A女子100M第2位 (11”97・・・県新記録) 100M、400M出場 02年 高知 少年B女子200M第4位(25”24) 100MH出場 03年 静岡 400M、走幅跳、円盤投出場 B岩手県高校総合体育大会 女子総合優勝5回(平成10、11、12、14、15年) C岩手県新人陸上競技大会 女子総合優勝4回(平成10、11、14、15年) D東北高校選手権大会 総合第3位 トラック優勝(平成12年) E 岩手県高校記録(☆は県記録) ☆100M 11”97 鈴木あかり(国体)01 400M 56”92 小笠原美由紀(全国高校)00 ☆400MR 47”19 舘・小笠原・玉山・鈴木(全国高校)00 ☆1600MR 3’48”03 冨沢・渡邊・高橋・岩渕(全国高校)03 100MH 14”57 阿部美早(東北新人)03 F平成14年10月 平沼亮三章受章 (5)心をつくる 本正先生が陸上競技部を指導する上で、一番重点に置いている事、それは「心づくり」です。 『心を育てる』をモットーにして、陸上競技を通して一人の人間として立派に成長してほしいと 願っています。競技力では足りない面があったとしても「一流の心を持とう、一流の競技者にな ろう。そのためにはまず心を変えること。心が変われば行動も変わる、行動が変われば、自分自 身が成長するはず。」ということを話しています。 私はこれから、この「心」を 大切にして、一流トレーナーを目指し日々成長していけるよう努力していきたいと思います。 卒業した先輩方がたびたび学校に訪れるのは、陸上を通して学んだ事が実社会で役立っているか らではないかと思います。卒業生は先生を心から尊敬し、感謝していると思います。先輩方が輝い て見えるのは先生の心の指導が生かされ、生き生きと生活しているからではないかと思います。 (6)選手の夢は本正先生の夢 本正先生が体育教師として陸上競技部の指導をしたいと思った理由は、先生自身が陸上競技を大 好きだったからです。先生は小学校から陸上競技に取り組み、数多くの大会で活躍しました。 高校生の時、目標としていたインターハイ入賞を果たせなかった事から「自分の教え子をインタ ーハイで日本一にする」という夢を持ちました。そしてその夢は、2001年熊本インターハイで 叶えられました。本校の鈴木あかり先輩が女子100メートルで日本一になりました。この輝かし い成績は岩手県史上初の快挙でした。 そんな先輩の姿を見て私も、「日本一になる」という大きな夢を抱きましたが、選手としてその 目標を達成する事はできませんでした。 新たにスポーツトレーナーという夢を持った時も、親身に相談にのってくれたり応援してくれま した。一流トレーナーの方と出会い、夢が大きく膨らみました。 本正先生と夢に向かって走った3年間は自分を大きく成長させてくれました。私は夢を必ず実現 し、先生に恩返しをしたいと思っています。 (7)苦しい時こそ一生懸命 本正先生にも辛い事、苦しい事など悩みはあったと思いますが、私達の前では常に明るく、一生 懸命でした。その姿が私達に勇気を与え、一生懸命取り組む事の素晴らしさを教えてくれました。 私自身、高校2年の冬に足首を骨折し、辛い経験をしましたが、怪我をしても見捨てる事なく練 習メニューを考えてくれたりアドバイスをくれました。怪我をしていて満足に練習できなくても、 /目標を持って前向きにクラブを続けられたのは先生がいつも口にしていた『苦しい時こそ一生懸 命 それがいつか力になる』この言葉があったからです。私はこの言葉を一生忘れません。 (8)選手の自主性を大切に 先生は「選手が自分から意欲を持ち、自分から強くなりたいと思う」事を大切にしています。 つまり、やらされる陸上ではいけないという事です。自分から積極的に質問し、学ぶ事で工夫が 生まれ、楽しくなっていきます。陸上競技の本当の楽しさを3年間で学んでいきます。 陸上競技を通じて多くの事を経験したり、感謝の気持ちを持つことの大切さや、どんな事にも 挑戦する気持ち、やればできる事を先生は教えてくれます。 私達黒南陸上部員は、もともと力のある選手ばかりが集まっているわけではありません。ごく 普通の公立高校で、広いグランドもなく環境に恵まれているとはいえませんが毎年全国大会で活 躍する選手が生まれています。 それは先生が競技力で選手を差別する事なく一人一人の選手に目を向け、一人一人の能力を高 めるような指導をしているからだと思います。 このように、部員一人一人に花を咲かそうと種をまいてくれる先生の存在があるから、部員は 自分の心に、そして黒南のグランドに努力の花を咲かせるため日々頑張っていけるのではないか と思います。 (9)当たり前の事を当たり前にできるように 本正先生は「掃除を一生懸命する」「挨拶を元気よくする」「校則を守る」「自分から進んで 手伝いをする」「疲れた時こそ勉強をする」など高校生として、人として当たり前の行動を当た り前にできてほしいと願っています。そして誰からも好かれ、応援される人になってほしいとい つも話しています。 当たり前の事が出来ない選手が誰かに勝てるはずがありません。まず自分に勝つ事、それは日 常生活の甘えをなくす事です。自分に自信を持てる行動をしていなければ、大きな舞台になれば なるほど弱く、自分に負けてしまいます。 『自分に厳しく出来るのは自分しかいない』だからこそ当たり前の事は当たり前にできるよう に、そして誰にも負けない努力が必要だと学びました。 最近は、当たり前の事が当たり前に出来ない生徒が増えてきていますが、陸上部以外の生徒に も同じ思いで指導しているようです。 学校のトイレには先生の書いてくれた言葉が貼ってあります。『美しい心が、美しい行動にな る。ここは次の人を思いやる心をつくる場所』この言葉はトイレをきれいに使う生徒を増やし、 学校全体の心を変える事につながったと思います。陸上競技の指導だけではなく、学校全体のた めにも積極的に生徒を指導しています。 その姿から、私たちは何でも一生懸命に取り組むことの大切さを学んだような気がします。 (10)美人で走れ 投げろ 跳べ 『美人で走れ 投げろ 跳べ』と黒南陸上部の横断幕にも書いてありますが、この言葉は本正 先生の好きな言葉です。誰よりも輝いて美人で競技してほしいという思いが込められています。 試合では、選手一人一人に適切なアドバイスをしてくれます。精神面では、普段通り平常心で 試合に望むよう話してくれます。だからこそ、毎日の練習が大切になってきます。週6日、約2 時間程度の練習ですが、その日のチーム全体の様子を見ながら、練習メニューを立ててくれます。 また先生は、どんなに忙しい時でも毎日クラブに来て指導してくれます。朝練習では一緒に走って くれる事もあります。 選手は毎日クラブノートを書きますが、先生は部員約30人分のノートに目を通し、一人一人に 対しコメントをくれるなど選手一人一人を大切にしています。 練習内容に関しても基本を大事にしながら、新しい技術を取り入れたり、工夫したり、選手の 力を伸ばす方法を考えてくれるそんな熱心な先生です。 そんな先生の情熱に答えようと私達もやる気を持って陸上競技に取り組む事ができます。私は、 自分の陸上競技部を日本一だと思って誇りにしています。 (11)夢に向かって前進 黒南陸上部には「日本一」になるという夢があります。そのためには日本一の練習、生活、 行動が必要であり、人と同じ事をしていては人より上にはいけない、『現状維持は退歩への一歩 である』と高い目標や夢を持つことの素晴らしさを話してくれます。 先生自身も今の自分には決して満足はしていません。常に高い目標を掲げ、自分に挑戦するよ うな生き方をしています。次の目標はリレー種目で全国優勝。選手と共に大きな夢に向かって 今日も輝いています。