駆け抜けた夏・・・
鈴木 あかり 期待で胸がはりさけそうなくらい心待ちにしていたIH。「目指すは、日本一」不安など 一つもありませんでした。 37度を越える猛暑が続く熊本での試合は想像以上につらく厳しいものでした。そんな中 私を支えてくれたのは、優勝の2文字と集中力、本正先生、そして仲間でした。仲間のサポート により、順調に予選、準決、決勝と勝ち進むことができました。 決勝に向かう私に、本正先生はただ一言「頑張って」と、いつもと変わらず送り出して くださいました。私は、緊張を集中に変え、ひとすらトップでゴールしている自分の姿をイメージ していました。勝ちたい、負けたくないという気持ちが、誰よりも強かったから、本当に 優勝できたのだと思います。 去年の岐阜インターハイでは、個人種目で思うような走りができなくて涙し、その頃から、「来年 こそは・・」と気持ちを新たに、日々努力していました。そして、2年の冬に、チーム内から 日本一を出そうという目標を掲げ、とても良い雰囲気のなか、練習することができました。 決してこの優勝は、私一人の力ではありません。熱心にご指導してくださった本正先生をはじめ、 家族や応援してくれた皆様のおかげです。本当にありがとうございました。 IHも終わり、気持ちを国体へと切り替えました。次は11秒台での優勝を目標に一生懸命 練習しました。 IHで優勝したから、また優勝するだろうという周囲の期待をプラスに考え、フォームの改造 にも取り組みました。結果は2位という成績でしたが、予選・準決・決勝とも自己ベストをだす 最高の走りができました。そして、やっと12秒台の壁を破り、岩手県女子初の11秒台の記録を 達成することができました。 私は、陸上を通して多くのことを学びました。仲間を思いやる心、感謝の気持ち、強気の心など、 きっと他では経験できないことばかりです。そして、どんなことがあっても夢をあきらめず、努力 すればきっと叶うのだということです。それまでに、多くの失敗や挫折もありますが、それを乗り越えれば これまでとは違う自分に変わり、自信を持って走ることができるはずです。 これから大学生になるにあたり、また0から競技者として鍛えていき、次は日本だけではなく、国際 大会に出場できるように頑張っていきたいと思います。こうして今、たくさんの方々に支えられて、 大好きな陸上をやれることに心から感謝し、これからもずっと私は挑戦し続けます。 平成13年度岩手県高体連陸上競技記録集より